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人事の仕事がつらい理由7つ|病む前に試したい対処法と相談先

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「またこの話か」。退職を切り出した社員との面談を終えて席に戻ると、今度は部長から評価のやり直しを頼まれる——そんな一日が続いて、人事の仕事がつらいと感じていませんか。誰にも言えないまま、帰り道でため息が出る。

つらさが抜けないのは、やる気や向き不向きのせいではありません。決めるのは経営、伝えるのは人事という立場に、負荷が集まる構造があるからです。ここでは、つらさの理由を7つに分け、負担が集中する5つの業務、事業所の規模で変わる負担の量、そして今日から順に試せる対処法をたどります。転職先の選び方までは踏み込みません。

最後まで目を通すころには、自分のつらさがどこから来ているのかを一つ名指しでき、誰に話すかまで決まっているはずです。まずは、今いちばん重いと感じている業務を思い浮かべてみてください。

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目次

人事の仕事がつらいと感じる7つの理由

人事の仕事がつらいと感じる7つの理由
人事の仕事がつらいと感じる7つの理由

人事の仕事がつらくなる理由は、大きく7つに分けられます。どれも性格や能力の問題ではなく、人事という立場に負荷が集まりやすい構造から生まれるものです。

人事は、企業を運営するうえで欠かせない業務。大企業では出世コースとして捉えられることも多く、花形の部署とも言えるでしょう。

しかし、人事に携わる人の中には、他部署にはない独特の悩みやつらさを抱えている人も多くいます。人事は、やりがいと共に、重い責任やストレスを伴う部署でもあるのです。

自分がどれに当てはまるのか、7つの理由を一つずつ見ていきましょう。

人事の仕事はつまらない?に関する詳しい情報は、「人事の仕事はつまらない?原因や対処法を知って視野を広げよう」の記事でも解説しています。

評価や異動で「嫌われ役」になる

人事がもっとも避けにくいのが、評価や異動の結果を本人に伝える「嫌われ役」の立場です。従業員の個人情報や進退に関わる人事担当者は、複雑な人間関係に巻き込まれがちです。

人事は従業員の評価や、昇格・降格の判断に携わったり、時には従業員を解雇する際の矢面に立つこともあります。従業員の進退に関わる判断は経営上の判断であり人事担当者に責はありませんが、中には人事担当者に対して怒りや不満をぶつける人もいるのが現実です。

決めたのは経営でも、本人の前に立つのは人事。この「決定と伝達のねじれ」がある限り、嫌われ役を完全に手放すのは難しいでしょう。だからこそ、評価基準を事前に開示しておく、面談の記録を残すなど、個人への反発を仕組みの話に戻す準備が効いてきます。

成果が数字で見えず、評価されにくい

人事のつらさを長引かせるのは、がんばりが数字に表れにくいことです。人事は数値で目標を示したり、ゴールを設定したりすることが難しく、モチベーションを保ちにくいという難点があります。

業務が滞りなく進んでいても、企業の生産性や売り上げに直結するわけではないため、目標を見失いつらいと感じてしまいがちになります。トラブルが起きなかった月ほど、何もしていないように見えてしまうのも人事の宿命。

対策としては、採用決定までの日数、入社後の定着率、問い合わせ対応の件数など、自分の裁量で動かせる数字を自分用に記録しておく方法があります。会社の評価が追いつかないときも、積み上げた記録が自分の実績になるからです。

機密情報を抱えて、社内に相談相手をつくりにくい

人事が孤立しやすいのは、抱える情報の重さに対して、社内で話せる相手が少ないからです。人事の業務内容は、採用や労務、人事評価など社内の人材や労働環境に関することなど多岐にわたります。

そのため、直属の上司だけでなく、経営陣や他部署の管理職、パート・アルバイトや求職者まで、様々な立場の人と関わっていく必要があるのです。さらに近年、働き方改革の推進により、従業員のメンタルヘルスに関する相談や対応業務も人事の担当分野に数えられることが多くなりました。

ときには、精神的に不安定な人やうつ病などの精神疾患を抱える従業員への対応を求められることもあるでしょう。たくさんの人の事情や感情に触れる必要がある中で、精神的に疲れてしまう人事担当者も少なくありません。

また、業務上多くの人と関わる必要がある一方で、個人情報や人事評価、給与情報など、企業の機密情報を抱える人事担当者は、他部署に友人知人を作りにくいといったデメリットも。ストレスや悩みを相談できる人が少ないことが、つらさを静かに育てていくのです。

インポスター症候群に関する詳しい情報は、「インポスター症候群とは?特徴や要因、克服するための方法を解説」の記事でも解説しています。

経営と現場の板挟みになる

人事は、経営の方針と現場の実感がぶつかる場所に立たされます。人員削減や制度変更のように、経営側の決定が現場の負担として降りてくる場面では、その説明役を担うのが人事だからです。

さらに、人事担当者はハラスメント関連の相談を受けることもあり、従業員のセンシティブな感情への対応を求められることも。人事は公平で冷静な視点で業務にあたる必要があるため、企業と従業員の間で板挟みになって、つらい思いをする場面が出てきます。

板挟みが苦しいのは、どちらの言い分にも理があるからでしょう。自分の意見として伝えるのか、会社の決定として伝えるのかを毎回はっきり分けるだけでも、受け止める重さは変わります。

繁忙期に業務が集中して激務になる

人事の忙しさは、年間で均されずに特定の時期へ集中します。新卒採用の選考、4月の入社手続き、人事異動、年末調整、年度末の評価面談と、締め切りが動かせない仕事が同じ月に重なるためです。

しかも、繁忙期であっても従業員からの相談や突発的な退職は待ってくれません。「人事 激務」「人事 忙しい」と感じる時期が年に何度か訪れるのは、業務量そのものより山の重なり方に原因があるということ。

自分の繁忙期がいつ来るのかをカレンダーに書き出しておくと、どの業務を前倒しできるか、どこで人手を借りるかを先に決められます。毎年同じ時期に同じようにつぶれているなら、それは個人の処理能力ではなく配分の問題です。

つらさを周囲に理解されにくい

人事のつらさは、他部署から見えにくいという特徴があります。採用も労務も、うまく回っているときほど成果物が表に出ないため、「人事は楽そう」と受け取られてしまうからです。

加えて、相談内容の多くは守秘義務の内側にあります。何に時間を使い、どんな場面で消耗したのかを家族にも同僚にも説明できないまま、感情だけが残ってしまう。

理解されないつらさは、人事の苦労そのものより重くのしかかります。だからこそ、社内で分かってもらう努力に加えて、守秘義務を気にせず話せる社外の窓口を持っておく意味があるでしょう。詳しくは記事の後半で取り上げます。

一つの業務に集中できず、専門性が積み上がらない

人事のキャリア不安の正体は、業務の幅広さにあります。人事の仕事は多岐にわたり、採用や労務業務、人材教育や研修の運営を行うほか、経験を積むにつれて、人材採用に関わる制度設計を担ったり、社内教育・研修の企画立案を行うこともあるからです。

多様な仕事に携わることができるというのは人事のメリットでもありますが、一つの業務に深く集中できないことにストレスを感じてしまう人もいます。どの分野を専門とするべきか、どの業務を優先すべきか。自分のやりたいこととやるべきことのバランスを上手くとっていく必要があります。

専門性が積み上がらないという不安には、「どの業務を自分の軸にするか」を先に決める方法が有効でしょう。軸が決まると、同じ幅広さが「複数領域を見渡せる強み」に変わります。

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ストレスが集中するのはこの5業務

人事の中でも負担が偏るのは、給与計算・人事評価・解雇や退職者への対応・苦情やハラスメント相談への対応・労務管理の5つです。いずれも「締め切りが動かせない」か「相手の感情を受け止める」かのどちらか、あるいは両方を含みます。

自分がつらいと感じている業務がこの中にあるなら、原因は担当者の力量ではなく業務の性質の側にあると考えてよいでしょう。

給与計算

給与計算は、締め切りを1日もずらせない点がつらさの中心です。勤怠の締め、保険料の変更、各種手当の反映を限られた日数で処理し、しかも1円の誤りが従業員の生活と信頼に直結します。

毎月決まって訪れる業務のため、ミスの記憶も毎月更新されていく。正確さを前提とされる仕事ほど、うまくいっても褒められないという構造になりがちです。

人事評価

人事評価がつらいのは、評価する側とされる側の両方から矢面に立たされるからです。評価者ごとに甘辛の差が出れば調整を求められ、被評価者からは「なぜこの評価なのか」の説明を求められます。

しかも、制度を作るのは人事でも、点数を付けるのは現場の管理職。自分が決めていない結果の説明責任だけが人事に残る場面も珍しくありません。

解雇・退職者への対応

解雇や退職の対応は、法的な手続きと相手の感情を同時に扱う点が重くのしかかります。手続き面での誤りは会社のリスクに直結し、面談の場では怒りや落胆をそのまま受け止めることになるからです。

送り出した人数が増えるほど、自分の判断だったのではないかという感覚が残っていく。退職理由の記録を事実ベースで残し、個人の責任と組織の課題を切り分けておくことが、自分を守る手立てになります。

苦情・ハラスメント相談への対応

苦情やハラスメントの相談対応は、中立を保ちながら相手の痛みを受け止める必要があり、精神的な消耗がもっとも大きい業務の一つです。相談者を守りつつ、事実確認では相手方の言い分も聞かなければなりません。

聞いた話は社内の誰にも共有できず、解決までの道のりも長い。一人で抱えない仕組み、たとえば複数名での対応や外部の専門機関との連携を、相談が起きる前に用意しておきたいところです。

社内調整に疲れた時の解決のコツについては、「社内調整に疲れたら?上手に解決するコツや良い逃げ道の探し方」の記事でさらに解説しています。

労務管理

労務管理のつらさは、法改正のたびに前提が書き換わることにあります。社会保険の手続き、労働時間の管理、就業規則の整備は、改正があれば運用も書類も作り直しになるためです。

なお、採用や育成を担う「人事」と、労働条件や社会保険を扱う「労務」は本来別の領域ですが、中小企業では一人が兼務している例が多く見られます。「労務がつらい」と感じているなら、人事としての悩みと労務としての悩みを分けて書き出すと、相談すべき相手が見えやすくなるでしょう。

つらさの量は、担当する事業所の規模で変わる

同じ人事でも、メンタル不調への対応が発生する頻度は事業所の規模によって大きく違います。厚生労働省の調査では、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は、規模が大きいほど高くなっています。

事業所の規模メンタル不調で1か月以上休んだ人がいた事業所
1,000人以上88.2%
500〜999人81.1%
300〜499人70.7%
100〜299人52.2%
50〜99人24.8%
30〜49人10.9%
10〜29人4.2%

この割合は、厚生労働省が令和5年11月1日から令和6年10月31日までの1年間を対象に行った令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」の事業所調査によるものです。全規模の合計では10.2%でした。

1,000人以上の事業所では9割近くが1か月以上の休職者を抱えている一方、10〜29人の事業所では4%台にとどまります。休職対応が立て続けに起きている職場は、担当者の進め方が悪いのではなく、規模から見て起きて当然の件数を一人で受けている可能性が高いということ。

自分の職場の規模をこの表に当てはめると、今の負荷が相応なのか突出しているのかを判断できます。突出しているなら、担当者を増やす根拠としてこの数字を使えるでしょう。

ストレスチェックをやっても職場が変わらないと感じる理由

「実施したのに何も変わらない」という実感には、制度の運用実態という裏づけがあります。同じ令和6年の労働安全衛生調査によると、ストレスチェックを実施した事業所のうち集団ごとの分析まで行ったのは75.4%、その分析結果を実際に活用した事業所は76.8%で、19.5%は分析結果を特に活用していませんでした。

分析までは進むのに、5社に1社は結果を使えていない。つまり「やっても変わらない」という感覚は、担当者の力不足ではなく運用の構造から生まれています。

活用した事業所が実際に動かしたのは、残業時間削減・休暇取得に向けた取組が48.5%、相談窓口の設置が41.2%、上司・同僚に支援を求めやすい環境の整備が36.7%でした(同調査)。打ち手が具体的な業務改善に寄っているのが分かります。

自社がどの段階にいるのかは、実施・分析・活用の順に確認すると見えてきます。分析で止まっているなら、次の一歩は「残業・相談窓口・業務配分のどれから手を付けるか」を会議の議題に載せることでしょう。

2028年4月からは50人未満の会社でもストレスチェックが義務になる

小規模な事業場の人事・総務担当者には、準備期間が残り数年しかない変更が控えています。ストレスチェックは2015年から労働安全衛生法によって事業者に義務づけられてきましたが、労働者数50人未満の事業場は当分の間の努力義務とされてきました。

この扱いが変わります。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、令和10年(2028年)4月1日から、労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックの実施が義務になると厚生労働省が示しています(ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策)。

今つらい理由が「人手が増えないまま業務だけ増える」ことなら、増える中身はすでに見えているということ。実施体制や委託先の検討を早めに持ち出しておくと、2028年の直前に一人で抱える事態を避けられます。

人事の仕事がつらいときの対処法を、時間軸で整理する

人事の仕事がつらいときの対処法
人事の仕事がつらいときの対処法

対処法は「今日・3か月・中長期」の3段階に分けると迷いません。つらさの原因がはっきりしていなくても、今日できることから順に手を付けられる形にしてあります。

  • 今日できること:社外の相談窓口を1つ持つ
  • 3か月でできること:業務を書き出して、手放す順番を決める
  • 中長期でできること:専門特化・副業・転職という3つの出口

憧れの人事になるには?については、「憧れの人事になるには?必要なスキルや資格、おすすめの業界についても解説!」の記事も読んでみてくださいね。

今日できること|社外の相談窓口を1つ持つ

人事は従業員を相談につなぐ側だと思われがちですが、公的な相談窓口は人事労務担当者本人も対象に含めています。社内に話せる相手がいなくても、今日から使える外部の窓口があるということです。

窓口対象相談方法費用
こころの耳電話相談(厚生労働省)働く方とその家族、企業の人事労務担当者0120-565-455/平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00無料(フリーダイヤル)
産業保健総合支援センター(労働者健康安全機構)産業医・産業看護職・衛生管理者などの産業保健関係者、事業主など実地、センターの窓口、電話、電子メール—

こころの耳電話相談は、祝日・振替休日・年末年始を除いて受け付けており、受付終了は平日21:50、土日15:50です。所定の訓練を受けた産業カウンセラー等の「こころの耳電話相談員」が対応します。番号はフリーダイヤルで、こころの耳は匿名・無料で相談できるとしています(厚生労働省「こころの耳」電話相談)。産業保健総合支援センターは全国47の都道府県に設置され、センターの窓口相談は予約制です(労働者健康安全機構)。

ただし、こうした公的な支援先はまだほとんど使われていません。前出の労働安全衛生調査では、メンタルヘルス対策に取り組む事業所のうち、地域産業保健センターを活用した事業所は2.9%、産業保健総合支援センターを活用した事業所は3.0%でした。裏を返せば、人事が自分のために使ってよい余地がそれだけ残っているということ。自社に利用実績がないことを、相談しない理由にしなくて構いません。

社内にも相談相手を作れるなら、それに越したことはないでしょう。従業員の個人情報や人事評価、人事異動などの情報を扱う人事担当者は、機密保持の観点から他部署に親しい人を作りにくいのが難点です。

人事の仕事について相談相手を必要としているのであれば、同じ人事を担当する同僚に相談してみるのがおすすめです。人事の仕事のつらさを分かち合うなら、同じ人事の仕事を経験した人が一番。同じ部署に勤める人であれば、話せることも増えるでしょう。

また、人事担当者ならではの楽しみ方を探してみるのも良いかもしれません。人事担当者同士、コミュニケーションを取って、円滑に業務を行える環境を作っていきたいですね。

3か月でできること|業務を書き出して、手放す順番を決める

「人事の仕事がつらいから辞めたい」と行動に移す前に、まずは自分が抱えている業務を全部紙に書き出してみる方法があります。人事の仕事を多角的な面から見る目を養うことで、つらさの出どころが業務単位で特定できるからです。

一口に人事と言っても、人事が担当する業務が一種類ではないことは、人事担当者ならお分かりのことでしょう。人事の仕事は多岐にわたり、人事の業務の中でも合う仕事と合わない仕事があるのは当然のことです。

書き出した業務を「自分しかできない/誰でもできる」「毎月来る/不定期」の2軸で分けると、手放す順番が見えてきます。誰でもできて毎月来る業務から、仕組み化や外部委託を相談していくのが現実的でしょう。

合わない分野の業務を無理に頑張るより、自分に合う分野の業務を伸ばして特定の分野の専門家になる道もあります。例えば、人材採用のプロフェッショナルや新人教育の専門家になれば、立派に人事の仕事を果たしていると言えます。

とは言え、一分野の専門家になることは容易な道ではありません。興味の方向性が定まったら、セミナーや研修に参加したり、資格取得を目指すことも検討してみてください。

中長期でできること|専門特化・副業・転職という3つの出口

今の職場で解決しきれないときの出口は、専門特化・副業・転職の3つです。どれも今日決める必要はありませんが、選択肢を知っているだけで日々の重さは変わります。

「人事の仕事そのものは嫌いではないけれど、社内での仕事に息苦しさを感じるようになった」という場合は、副業に手を広げてみるのもおすすめです。近年では、副業として他社の人事や採用を担う新しい人事の形が広がりを見せています。

採用や労務に関わる業務の専門性の高まりにより、社内で完結する人事に限界を感じる企業が増えてきているからです。副業や個人事業主として人事を専門とする人々は、「採用代行」や「フリーランス人事」とも呼ばれます。

「自社の業務だけでもストレスを抱えていて大変なのに、他社の人事まで背負えない」と考えるかもしれません。ただ、企業の人事部門に所属する人が副業で他社の人事業務を行うことには、次のようなメリットがあります。

  • 様々な人事の現場を知ることができる
  • 本業では関わることのない新しい人間関係を築ける
  • 転職や独立開業の道が開ける

副業によって他社の人事に携わることで、本業に役立つ新たなスキルや視点を得ることができるはずです。さらに、新たに手に入れたスキルや人間関係によって転職や独立開業に成功すれば、年収アップや理想の働き方の実現につながる可能性もあるでしょう。

副業を始めるのは、本業との兼ね合いや心身の負担などのハードルもありますが、成功すれば有意義な経験になります。「人事の仕事はつらい。でも人事としてキャリアアップしたい」と考えているなら、人事の副業にチャレンジしてみてください。

転職を選ぶ場合も、まずは今の職場で何がつらかったのかを言葉にしておくことが先決でしょう。理由があいまいなまま動くと、同じ構造の職場を選び直してしまうからです。

仕事を辞める理由のランキングについては、「【仕事を辞める理由ランキング】優秀な人材を転職させないためには?」の記事もご覧ください。

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よくある質問

人事のつらさについて、よく挙がる質問をまとめました。

人事の仕事で病んでしまう人が多いのはなぜですか?

負荷が重なる一方で、それを社内で話せない立場に置かれているからです。評価や退職の場面で嫌われ役を担い、ハラスメント相談のような重い話を受け止めながら、その内容は守秘義務があって同僚にも家族にも共有できません。

そのうえ成果が数字で見えにくいため、がんばりが評価につながりにくい。この「負荷が高い・相談できない・評価されにくい」の3つがそろうと、心身の不調に向かいやすくなります。社外の相談窓口を1つ持っておくだけでも、この連鎖は断ち切りやすくなるでしょう。

人事を辞めたいと思ったら、まず何をすればいいですか?

辞める判断の前に、つらさの出どころを業務単位で特定することをおすすめします。給与計算の締め切りなのか、評価の説明なのか、ハラスメント相談なのかで、打つ手がまったく変わるからです。

そのうえで、社外の相談窓口に一度話してみてください。業務の棚卸しと窓口への相談を終えてから出口を考えても、遅くはありません。

人事の仕事は激務ですか?

年間を通して一定ではなく、時期によって極端に偏るのが人事の特徴です。新卒採用の選考期、4月の入社手続き、人事異動、年末調整のように、締め切りが動かせない業務が同じ月に集中します。

逆に言えば、山が来る時期は毎年ほぼ同じ。前倒しできる作業と人手を借りる工程を先に決めておけば、同じ業務量でも体感はかなり変わってきます。

人事が「嫌われ役」になるのを避ける方法はありますか?

完全に避けるのは難しく、受け止め方を仕組みで軽くする方向が現実的です。評価基準や異動の考え方を事前に公開しておけば、結果を伝える場面で「個人の判断」と受け取られにくくなります。

面談の内容を記録に残し、決定した人と伝える人の役割を社内で明示しておくのも有効でしょう。反発の矛先を個人から仕組みへ戻すことが、嫌われ役の負担を減らす近道になります。

人事の経験は、他の職種や会社でも活かせますか?

活かせます。採用、労務、評価制度の運用はどの業種の会社にも存在するため、業界をまたいでも通用する知識になるからです。

実際、採用や労務の専門性が高まったことで、採用代行やフリーランス人事という形で社外から人事を担う働き方も広がっています。今の会社に居続けるかどうかにかかわらず、経験そのものは持ち出せる資産だと考えてよいでしょう。

まとめ|つらさの原因を特定できれば、打てる手は残っている

人事の仕事のつらさの原因と対処法のまとめ
つらさの原因を特定できれば、打てる手は残っている

人事のつらさは、多くの場合、7つの理由と5つの業務のどこかに当てはまります。原因を一つに名指しできれば、今日できること・3か月でできること・中長期の出口のどこから動くかも決まります。

休職対応が続いているなら、それは規模相応の件数を一人で受けているだけかもしれません。ストレスチェックが形だけで終わっているなら、集団分析まで行った事業所の19.5%が結果を活用できていないという事実が、議題を出す後押しになるでしょう。

そして、人事労務担当者本人が使える公的な相談窓口は、今日から電話1本で使えます。社内に話せる相手がいないことを、相談しない理由にしなくてよいということ。

人事の仕事は、続けることができれば、昇進や年収アップにつながる将来性の高い仕事です。もちろん心身の健康を第一に考えるべきではありますが、「向いていないから人事をやめたい」と考える前に、どうしたら人事の仕事で成功できるかを検討してみるのも良いでしょう。

先輩や同僚、人事を担う様々な人の意見を参考に、人事の業務にやりがいを見つけてみてください。まずは、今いちばん重い業務を一つ書き出すところから始めてみましょう。

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