被評価者とは?目標設定から自己申告までの3ステップを解説

  • URLをコピーしました!

「今度の人事評価、目標設定シートに何を書けばいいのだろう」——期首の面談を前に、手が止まってしまった経験はありませんか。上司からのフィードバックにどう向き合えばいいか、迷う瞬間もあるはずです。

結論からお伝えすると、被評価者に求められる行動は、目標設定・自己申告・フィードバックという3つの手続きに沿って整理すると、迷いがぐっと減ります。

この記事を読めば、内閣人事局・人事院が示す公的な手続きの型をもとに、被評価者として何をどう進めればよいかが具体的にわかります。評価者との付き合い方やストレスとの向き合い方まで理解できるので、次の評価面談を落ち着いて迎えられる状態になれるはずです。

被評価者としての基礎を押さえたら、あわせてこちらもご覧ください。

\ 人事職の仕事が簡単に探せる /

最初から最後まで完全無料でご利用いただけます。

目次

被評価者とは何か

被評価者とは何か
被評価者とは何か

まずは「被評価者とは何か」を、定義と法的根拠の両面から確認しておきましょう。

被評価者の定義と評価者との関係

被評価者とは、組織や上司から定期的な評価やフィードバックを受ける立場にある人のことです。反対に、評価を行う側を「評価者」と呼びます。

ビジネスの現場では、役職の有無にかかわらず、ほとんどすべての従業員が被評価者にあたります。管理職であっても、さらに上位の評価者から見れば被評価者という立場になるためです。

一般的な人事評価は、業務の成果を見る「業績評価」、仕事に取り組む姿勢や意欲を見る「情意評価」、業務遂行力を見る「能力評価」という3つの軸で構成されることが多いです。評価軸の詳しい内容は、「情意評価とは?目的・メリットやコンピテンシー評価の方法を紹介」の記事でも解説しています。

国家公務員法にみる人事評価の法的定義

人事評価という制度には、実は法律上の定義もあるのです。国家公務員法第18条の2第1項では、人事評価を次のように定めています。

任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とするために、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価

出典: 人事院「人事評価と評価結果の活用」(https://www.jinji.go.jp/seisaku/kihonshisaku/jinjihyouka.html

つまり被評価者は、単に「採点される人」ではなく、能力と業績の両方を把握してもらうことで、今後の配置・処遇の基礎データを提供する立場にあるといえます。この考え方は公務員に限らず、民間企業の評価制度を理解するうえでも参考になります。

被評価者が実践すべき3つのステップ

被評価者として具体的に何をすればよいかは、内閣人事局・人事院が公開している「人事評価ガイド《被評価者の手続編》」(2022.06 ver.)に、目標設定・自己申告・フィードバックという3つの手続きとして整理されています(出典: 内閣人事局・人事院「人事評価ガイド《被評価者の手続編》」)。国家公務員向けの資料ですが、手続きの型そのものは民間企業の評価制度にも応用できます。

評価される項目そのものの立て方や書き方については、「業務評価とは?項目と評価の書き方や目標設定の方法を紹介」の記事でも詳しく解説しています。

ステップ1:目標を設定する

最初の手続きは、期首の面談で行う目標設定です。業務上のゴールを明確にし、果たすべき役割を評価者と共有します。

期末に達成状況を判定できる具体的な目標にするために、同資料では次の5要素を明確にすることを求めています。

要素目標設定で明確にすること
何を取り組む業務・課題の対象
いつまでに達成の期限
どの水準まで期待される成果のレベル
どのように取り組む方法・手段
どのような役割でチームの中で果たす役割や貢献の形

目標の立て方には、上司や組織の目標からブレークダウンする方法と、被評価者自身がボトムアップで目標案を作り、評価者が組織目標との整合性を確認する方法の2通りです。あわせて、難易度が高くやりがいのある「チャレンジ目標」を1つ以上設定することが推奨されており、受け身にならず自ら成長機会を設計する視点として役立ちます。

ステップ2:自己申告を行う

期末が近づいたら、評価期間中の行動を振り返る自己申告を行います。次期の業務遂行や能力開発につなげるための、大切な棚卸しの機会です。

自己申告で記載すべき内容は、主に次の3点に整理できます。

  • 目標の達成度合い(どこまでできたか、どのような役割を果たしたか)
  • 目標達成に向けて特に取り組んだ工夫や、周囲への支援などのプロセス
  • 自らに起因しない目標未達の背景など、評価にあたって考慮が必要な事情

結果だけでなく、そこに至るまでの過程を言葉にすることが、納得感のある評価につながります。

ステップ3:フィードバックを受ける

最後のステップは、評価結果の開示と期末面談によるフィードバックです。自身の状況を可視化し、来期・将来に向けた助言を受け取る機会になります。

フィードバックは「結果を伝えられる場」ではなく、次の目標設定に向けた対話の起点と捉えると、ステップ1に自然につながっていきます。

\ 人事職の仕事が簡単に探せる /

最初から最後まで完全無料でご利用いただけます。

被評価者の権利と責任

被評価者の権利と責任
被評価者の権利と責任

被評価者には、評価を受け取るだけでなく、評価プロセスに関わる権利と責任の両方があるのです。

  • 公正かつ適切な評価を受ける権利
  • 適切なフィードバック・指導を受ける権利
  • 評価者に対して自身の業務状況を正確に伝える責任
  • フィードバックを受け入れ、改善につなげる責任

被評価者は評価を受けるだけの立場ではなく、自身の言葉で状況を伝え、フィードバックを次の行動に活かすという形で、評価プロセスに主体的に関わることが求められます。

人事評価は昇給・昇格の判断材料にもなります。人事という職種そのものの年収相場が気になる方は、「人事の平均年収はいくら?給料が低い原因や年収を上げるコツを紹介」の記事もあわせてご覧ください。

評価者とのコミュニケーションと成長

評価者とのコミュニケーションと成長
評価者とのコミュニケーションと成長

評価者との適切なコミュニケーションが取れていないと、意思疎通がうまくいかず、フィードバックの意図を正確に理解できないことがあります。評価制度の設計や運用を専門に支援する人事コンサルティングという仕事もあり、詳しくは「人事コンサルティングとは?仕事内容や向いている人の特徴・平均年収まで解説」の記事で紹介しています。

評価者の立場にいる方も、被評価者の立場にいる方も、ぜひ次の内容をチェックしてください。

被評価者と評価者がうまく付き合う方法

被評価者と評価者がうまく付き合うためには、日頃からのコミュニケーションと相互理解が欠かせません。

評価面談の場だけで関係を築こうとするのではなく、期中の1on1などで進捗や困りごとを共有しておくと、期末のフィードバックに驚きが生まれにくくなります。信頼関係を築いたうえでの対話は、被評価者の成長にも直結します。

AIで自己評価を作成する際の注意点

2026年時点では、自己申告や自己評価のコメントを生成AIに下書きさせる被評価者が増えているのです。うまく使えば、考えを整理する時間を短縮できるというメリットがあります。

一方で、部下15名の人事評価を担当するある管理職1名への社内ヒアリングでは、「AIが作成した自己評価は文章として整っている一方、実際の能力や業務の実態と提出物の質がちぐはぐになる」というデメリットが指摘されています(出典: 社内ヒアリングノート、2026-08)。

AIに書かせた文章をそのまま提出するのではなく、自分の実際の行動・数値・エピソードで裏付けできるかを、提出前にあらためて見直すことが、この落とし穴を避けるポイントです。

被評価者へのアドバイスの大切さ

被評価者へのアドバイスは、成長と改善のための貴重な要素です。評価者が具体的かつ建設的なフィードバックを提供することで、被評価者は自身の強みや改善点を把握できます。

アドバイスは、被評価者に自己啓発の機会も提供します。適切なアドバイスを受け取ることで、被評価者は自身の課題に向き合い、克服するための行動を選びやすくなるのです。

評価者との関わり方で悩んだときは、こちらの情報も役立ちます。

\ 人事職の仕事が簡単に探せる /

最初から最後まで完全無料でご利用いただけます。

被評価者のストレス対処法

被評価者のストレス対処法
被評価者のストレス対処法

評価を受けることは、人によっては大きなストレスの原因になります。評価そのものではなく、人事の仕事の大変さに悩んでいる方は、「人事の仕事がつらい3つの理由 | 病んでしまった人のための楽になる考え方」の記事も参考にしてください。

評価プロセスがストレスになる理由

ストレスを受けた状態では、ネガティブな感情に引きずられたり、フィードバックの内容を正しく受け取れなかったりしがちです。

特に、評価基準があいまいに感じられるときや、自己申告と結果に差があったときに、不安や不満が強くなりやすい傾向があります。原因を知っておくだけでも、いざというときの受け止め方が変わります。

ストレス対処の具体的な方法

ストレスへの対処法は人によってさまざまですが、次のようなヒントが役立つはずです。

  • 自己ケアを優先する(十分な睡眠、バランスの取れた食事、リラックスできる休日)
  • 評価結果を人格そのものへの評価と切り離して受け止める
  • 信頼できる相談相手を社内外に作っておく
  • フィードバックの中から、建設的な要素を1つだけ拾って次に活かす

被評価者としての経験を積み重ねることは、自己認識を高め、成長の領域を発見する機会にもなります。ストレスと上手に付き合いながら、評価を自分の成長に変えていきましょう。

ストレスとの向き合い方に不安がある方は、こちらもあわせてご確認ください。

\ 人事職の仕事が簡単に探せる /

最初から最後まで完全無料でご利用いただけます。

被評価者に関するよくある質問

Q1. 被評価者と評価者の違いは何ですか?

被評価者は評価を受ける側、評価者は評価を行う側を指す言葉です。似た響きの言葉と混同されることもありますが、指している対象はまったく異なります。ほとんどの従業員は、上位の役職者から見れば被評価者にあたります。

Q2. 被評価者に求められる心構えはありますか?

評価を「一方的に採点される場」ではなく、自分の状況を正確に伝え、フィードバックを次の行動に活かす対話の機会と捉えることが大切です。フィードバックを受け入れ改善する責任も、被評価者の側にあります。

Q3. 目標設定はどう進めればいいですか?

「何を・いつまでに・どの水準まで・どのように・どのような役割で」の5要素を明確にすることが、期末に達成状況を判定しやすい目標の条件です。詳しくは本記事の「被評価者が実践すべき3つのステップ」で解説しています。

Q4. 自己評価をAIに書かせてもいいですか?

下書きとして使うこと自体は否定されませんが、実際の能力や業務の実態と提出物の質がちぐはぐにならないよう、自分の行動・数値・エピソードで裏付けできる内容かどうかを、提出前にあらためて確認してください。

Q5. 評価に納得できない場合はどうすればいいですか?

感情的に反論する前に、評価者に対して具体的にどの目標・どの事実に基づく評価かを確認しましょう。自己申告の内容と評価結果の差分を整理して伝えると、建設的な対話につながりやすくなります。

Q6. 被評価者向けの研修はありますか?

評価者向けの研修は広く知られていますが、目標設定や自己申告の書き方など、被評価者側のスキルを高める研修を用意している企業もあります。制度がない場合も、本記事の3つのステップを踏まえるだけで、自己流に頼らない目標設定・自己申告が可能です。

まとめ

被評価者とは、評価を受ける側の社員のことであり、その手続きは目標設定・自己申告・フィードバックという3つのステップに整理できます。5要素を意識した目標設定と、事実に基づく自己申告を行い、フィードバックを次の目標設定につなげる——このサイクルを回すことが、納得感のある評価と自身の成長の両方につながります。

被評価者としての基本を押さえたら、周辺のテーマもあわせて知っておくと理解がより深まるはずです。目標設定の土台となる評価項目の立て方や書き方は「業務評価とは?項目と評価の書き方や目標設定の方法を紹介」で、評価が給与にどう反映されるかは「人事の平均年収はいくら?給料が低い原因や年収を上げるコツを紹介」で解説しています。評価軸の1つである情意評価の仕組みは「情意評価とは?目的・メリットやコンピテンシー評価の方法を紹介」、評価制度の設計に関わる人事コンサルティングの仕事内容は「人事コンサルティングとは?仕事内容や向いている人の特徴・平均年収まで解説」で紹介しています。評価にまつわるストレスで悩んでいる方は、「人事の仕事がつらい3つの理由 | 病んでしまった人のための楽になる考え方」もあわせてご覧ください。

被評価者としての一歩を踏み出す前に、ぜひこちらもチェックしてみてください。

\ 人事職の仕事が簡単に探せる /

最初から最後まで完全無料でご利用いただけます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次