効果測定で研修の価値を最大化！重要な理由と実践方法を解説

人事研修の効果を測定していますか? 

多くの企業で行われている人事研修ですが、本当に効果があるのでしょうか。

実は、研修効果を測定していない企業が7割以上を占めているのが実情です。

研修に莫大なコストをかけながら、その効果が分からないという無駄を生んでいるのです。

研修には、「制度の継続・見直しの判断」、「受講者の成長度確認」、「内容の改善」、「新ニーズの発見」という4つの重要な目的があります。

効果測定なくしてはこの目的を達成できません。

この記事では、研修効果を正しく測定する手法である「カークパトリックモデル」と具体的なおすすめの測定手法を解説します。

研修の効果を適切に測定することで、無駄のない人材育成が可能となり、組織全体の生産性の向上にもつながります。

研修の投資効果を最大化する新たな一手として、ぜひ活用してみませんか?

人事研修には効果測定が必要な理由

人事研修に多大な費用を払っているにもかかわらず、その効果を具体的に測定していない企業が多いのが実情です。

研修が終わっても、その成果がしっかりと分析されることは、企業にとって非常に重要です。

本来、研修には大きな意義があり、適切な効果測定を行うことで、さまざまなメリットが生まれます。

ここでは、研修効果測定が必要な理由を解説します。

その研修制度を継続すべきかを判断するため

研修制度の継続判断は、効果測定をして判断するようにしましょう。

企業は毎年、新入社員研修や階層別研修など、さまざまな研修を実施しています。

しかし、研修にかけた費用に見合う効果があったのか、検証がなされていないと、無駄な投資を続けてしまう恐れがあります。 

研修の効果を測定することで、その研修制度を継続するべきか、見直しが必要かを客観的に判断することができます。

たとえば、アンケートなどで受講者の満足度が低ければ内容の改善が必要でしょう。 

研修の効果測定により、成果を明確にし、継続の有無を判断できるのです。

研修によって受講者の成長につながったかを判断するため

研修の最終目的は、受講者の能力向上やスキルアップにあります。

しかし、研修後の受講者の変化を測定しないと、本当に成長につながったかどうかが分かりません。 

受講者の知識、スキル、行動変容などを測ることで、研修が本来の目的を果たせたかを確認できます。

成長がない場合は、内容や手法を改善する必要があるでしょう。

たとえば、営業研修の前後で、受講者に対して営業知識のテストを行えば、知識の定着度が分かります。

また、上司による営業活動の観察を行えば、行動変容の有無が分かります。

研修の効果測定を通じて、受講者がどれだけ成長したかを評価することが可能です。

得られた課題からより良い研修内容にするため

効果測定では、どの部分に課題があったのかを特定することができます。 

課題が明らかになれば、研修内容やカリキュラムを改善することができ、よりよい研修を提供できるようになります。 

たとえば、プレゼンテーション研修で、アンケートから「導入部分の説明が分かりづらい」という指摘があれば、その部分の内容や教え方を見直すことで、研修の質が高まります。

研修効果の測定では、次回の研修でどのような点を改善すればよいかの具体的な課題を知ることができるのです。

その研修では補えない新たな研修内容を発見するため

研修受講者のニーズは多様であり、その研修では補えない新たな研修内容を発見する必要があります。

効果測定で得られた結果から、現行の研修では対応しきれていない内容を発見できれば、新たな研修メニューの開発が可能になります。 

たとえば、マネジャー研修の受講後アンケートで、「部下のモチベーション向上」に関する要望が多数あれば、新しい研修の開発チャンスです。

効果測定は、既存の研修プログラムではカバーできていない、新しい研修内容を明らかにできるのです。

研修の効果測定に重要な「カークパトリックモデル」とは

研修の効果を測定する際、どのようにして効果を判断すれば良いのでしょうか？

その答えの一つが、広く採用されている「カークパトリックモデル」と呼ばれる4段階の評価モデルです。

このモデルを活用することで、研修の効果を多角的に把握し、分析することができます。

レベル1：反応（Reaction）

レベル1は、研修に対する受講者の反応や満足度を測るレベルです。

研修がいくら優れた内容でも、受講者が満足していなければ効果は期待できません。

まずは受講者の興味や関心、満足度を測定します。

アンケートに「この研修は役に立った」という設問を設け、5段階で評価してもらうことで、研修の満足度を測ることができます。

レベル2：学習（Learning）

レベル2は、研修を通じて受講者がどの程度知識やスキルを身につけたかを測るレベルです。 

研修の目的は知識やスキルの習得にあり、このレベルの評価が研修効果の重要な部分です。

学習効果は、前後テストで測ることができ、受講者が研修前に比べてどれだけ成長したかを評価できます。 

マーケティング研修であれば、研修前後でマーケティング理論に関する筆記テストを実施し、正答率からスキルの定着度を測ります。

レベル3：行動（Behavior）

レベル3は、学んだ知識やスキルが実際の業務でどの程度活用され、行動に現れているかを測るレベルです。

 研修の最終目的は業務での活用にあり、このレベルを評価しないと本当の効果は分かりません。

一定期間を置いての評価が必要です。

導入研修後、数ヶ月経って業務がどう変わったかを上司に観察してもらい、行動の変化を評価します。

行動変化を測定することで、研修が実際の職場環境で効果を発揮しているかを評価できます。

レベル4：結果（Result）

レベル4は、研修による行動の変化が、最終的にどの程度の業務成果や組織への影響をもたらしたかを測るレベルです。

企業は研修による経営への効果を知りたいはずです。

このレベルを評価することで、投資に見合う効果があったかを確認できます。

営業研修前後で、営業実績に変化があったかを分析し、増収があればROI(投資対効果)を算出できます。

結果を測定することで、研修が投資に見合う価値があったかどうかを組織は判断できるのです。

研修の効果測定におすすめの手法

研修の効果測定が重要であることは分かりましたが、具体的にどのように測定すればよいのでしょうか。

ここでは、効果測定に役立つ代表的な3つの手法をご紹介します。

それぞれの長所や活用のポイントを押さえれば、貴社の研修の効果を適切に測定することができるでしょう。

受講者自らが答える研修後アンケートで判断する

研修の受講者に対して、アンケートを実施することで、受講者自身の視点から研修の効果を測ることができます。 

受講者自身の声を聞くことで、研修内容の問題点や改善点を直接的に把握することができます。

また、知識の理解度や満足度などの確認も可能です。

5段階評価で「この研修は役に立った」など、研修全体の有益度を尋ねる質問を設けます。

さらに、各項目の難易度や分かりやすさなどの設問を用意して、内容の適切さを把握できます。 

自由記述欄を設けることで、受講者のストレートな感想を引き出し、具体的な課題を特定しやすくなるでしょう。

アンケートは、受講者の率直な意見を得るために効果的な方法です。

研修後の業務効率・成果によって判断する

研修実施前後で、受講者の業務パフォーマンスや生産性、売上実績などの定量データを比較・分析することで、研修の効果を測ることができます。  

研修が業務改善に役立っているかどうかを具体的なデータとして捉えることができるため、この評価方法は非常に有効です。

たとえば、営業研修前後の受注件数や売上高を比較し、増加があればその研修の効果が確認できるでしょう。

評価までの期間が短いと効果が表れにくいため、研修後、一定期間が経過してからデータを収集することが重要です。

上司や同僚へのアンケートの評価で判断する

受講者本人だけでなく、上司や同僚といった第三者の視点からも研修の効果を評価することは重要です。

本人の自覚と他者の評価には食い違いがある場合があり、異なる視点から評価することで効果測定の精度が上がります。

たとえば、部下の業務マナーや対応力が研修後に改善されたか、上司に5段階で評価してもらう方法です。

受講者の具体的な行動の変化を確認するよう、チェックリスト形式のアンケートにすると分かりやすいでしょう。

第三者の視点の評価は、研修の影響を多角的に捉え、より客観的な評価を得ることができます。

まとめ

この記事では、研修効果を正しく測定する手法である「カークパトリックモデル」と具体的なおすすめの測定手法を解説しました。

研修には多大なコストがかかるため、その効果を適切に測定し、継続や内容の改善を判断する必要があります。

研修がどの程度効果的であったかを知ることで、より効率的な人材育成が可能になります。

効果測定には、「カークパトリックモデル」と呼ばれる4段階の評価方法が有効です。

受講者の反応、学習度、行動変容、業務への結果という4つのレベルを評価することで、研修の効果を多角的に把握できます。

具体的な測定手法としては、受講者アンケート、業務データ分析、上司評価などが挙げられます。

受講者自身の声を反映しつつ、データや第三者評価も加味することで、効果測定の精度が高まります。

研修に大きな投資をしているのであれば、その効果を確かめることは企業にとって不可欠です。

効果測定なくして、適切な研修のPDCAサイクルを回すことはできません。

人材は企業の宝です。

本記事で学んだ手法を活用し、人材育成に役立ててください。

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