税務調査も怖くない！フリーランスで計上できる経費とは？領収書や家事按分における確定申告の際の注意点

「家事按分って何？」

「領収書は全部とっておくべき？」

フリーランスを始めると、経費のことで疑問を抱えている方も多いでしょう。

経費について正しく理解し、計上すれば、税金の負担を軽減できるのです！

この記事では、フリーランスが知っておきたい経費の種類や上限、領収書管理のコツ、経費計上のメリットや注意点について解説します。

これを読めば、初心者でも迷わずに経費を活用でき、無駄な出費を抑えられます。

確定申告で損をしないためにも、今すぐ経費の知識を身につけて、賢く節税しましょう！

フリーランスの経費とは

フリーランスとして働く上で、経費の理解は避けて通れません。

フリーランスの経費は、事業を運営する上で発生する必要な支出のことで、確定申告時に売上から差し引くことができる費用です。

経費を適切に計上するには、家事按分や領収書の管理など、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

ここでは、以下の３つについて解説します。

フリーランスの経費は家事按分できる

フリーランスの経費を考える上で、自宅を仕事場としている場合に活用できるのが家事按分（かじあんぶん）です。

家事按分とは、自宅の家賃や光熱費など、プライベートと業務の両方にかかる費用を、業務で使用した割合に応じて経費に計上する方法のことを指します。

なぜ家事按分が認められているかというと、自宅で仕事をする場合、そのスペースや光熱費は、業務遂行に不可欠なものとみなされるためです。

例えば、自宅の一部を仕事場として使用している場合、その面積や使用時間に基づき家賃や光熱費を経費として計上できます。

また、スマートフォンやインターネットの利用料についても業務使用分を計算して按分することが可能です。

このように家事按分を活用することで、フリーランスとしての税務負担を軽減し、正しい経費計上が実現できます。

適切な記録と計算を徹底することが、トラブルを回避するために非常に重要です。

経費計上には領収書の管理が必須  

フリーランスが正確に経費計上を行うためには、領収書の管理が不可欠です。

領収書は、支払いの事実を証明する重要な書類であり、経費として認めてもらうためには、適切に保管しておく必要があります。

領収書は、あなたが支払った経費が事業に関連したものであることを証明する、唯一の証拠となるからです。

税務署は、提出された確定申告書の内容が正しいかどうかを確認するために、税務調査を行うことがあります。

この際、経費の根拠となる領収書を提示できないと、経費として認められず、追加で税金を支払わなければならなくなる可能性があります。

また、領収書を適切に管理することで、収支の把握や経営計画の立案にも役立ちます。

例えば、業務用に購入した機材や交通費、クライアントとの打ち合わせ時の飲食費などについては、領収書を取得し保管する必要があります。

受け取った領収書は、月別や費目別に整理し、ファイリングしておくと、後から見返す際に便利です。

電子領収書は、保存形式や期間に関する法的な取り扱いにも注意が必要です。

このように、経費計上には領収書の管理が必須であり、日頃から意識して保管することが大切です。

領収書の管理を徹底することは、税務調査への備えとなるだけでなく、自身の事業の収支を正確に把握し、経営状況を改善するための第一歩となるのです。

領収書の管理は面倒に感じるかもしれませんが、フリーランスとして事業を継続し、成功させるためには、避けて通れない重要な業務の一つといえるでしょう。

経費の上限はいくらまでなのか  

フリーランスが経費として計上できる金額に、法律で定められた明確な上限はありません。

しかし、いくらでも経費にできるわけではなく、業務に関連している支出であることが大前提です。

経費に上限が定められていないのは、事業によって必要な経費が大きく異なるからです。

たとえば、自宅で仕事をするライターと、大きなスタジオを借りて活動するフォトグラファーでは、必要な経費の額は全く違います。

そのため、一律に上限を設けることは現実的ではないのです。

税務署が経費として認めるのは、あくまでも「事業を行う上で必要な支出」のみです。

事業とは関係のない、プライベートな旅行費用や、趣味の物品の購入費用などは、経費として認められません。

また、事業に関連する支出であっても、高額な支出については、税務署から「本当に事業に必要なのか」と疑念を持たれ、詳細な説明を求められる可能性があります。

このように、フリーランスの経費に明確な上限はないものの、経費として認められるかどうかは、「事業に直接関連しているかどうか」がポイントとなります。

経費を計上する際には、領収書やレシートなどの証拠書類をきちんと保管し、その支出が事業に関連するものであることを、客観的に説明できるようにしておくことが大切です。 

フリーランスが経費にできるもの一覧

フリーランスの経費として認められる項目は多岐にわたります。

ここでは、フリーランスが経費にできる代表的なものを解説します。

家賃・光熱費

フリーランスは、家賃や光熱費の一部を経費として計上することが可能です。

自宅を仕事場としている場合、家賃や光熱費の一部を家事按分という方法を使って経費にすることができます。

その理由は、自宅での作業スペースや、業務に使用する電気・ガス・水道は、事業を営む上で必要な支出と認められるからです。

例えば、自宅マンションの家賃が10万円で、全体の面積が50㎡、そのうち仕事部屋として使用しているスペースが10㎡だとします。

この場合、家賃の20%（10㎡ ÷ 50㎡ = 0.2）にあたる2万円を経費として計上できる可能性があります。

光熱費についても同様で、電気代が月1万円であれば、業務使用割合を40%と算出し、4,000円を経費にできる、といった具体的な計算が考えられます。

ただし、重要なのは「業務使用割合」を客観的に説明できるようにしておくことです。

算出根拠である、部屋ごとの面積を記した図面や、時間帯別の電気使用量を記録したメモなどを保管しておきましょう。

このように、家賃・光熱費を経費として適切に計上するには、業務使用部分を明確にし、計算根拠を記録することが重要です。

車やパソコンなど

フリーランスは、業務に使用する車やパソコンなどの購入費や維持費を経費として計上することが可能です。

これらは事業を遂行するために必要な道具であり、その費用は事業上の支出と認められるからです。

また、これらの資産は、一般的に使用可能期間が1年以上にわたるため、減価償却（げんかしょうきゃく）という方法で、数年間に分けて経費計上が可能です。

減価償却は、購入した年に全額を経費とするのではなく、定められた年数（耐用年数）にわたって分割して経費計上（減価償却）する方法です。

例えば、200万円の車を事業専用で購入した場合、耐用年数（普通車の場合は6年）で割った金額を毎年経費にできます。

定額法（毎年同じ金額を償却する方法）を用いた場合、200万円 ÷ 6年 = 約33万円を、毎年経費として計上することになります。

パソコンの場合（例：30万円で購入）は、耐用年数は通常4年です。

そのため、定額法では、30万円÷4年=7.5万円を毎年経費にできます。

もし、その車やパソコンをプライベートでも使用する場合は、「家事按分」の考え方が必要です。

例えば、車の走行距離のうち、業務使用が70%、プライベート使用が30%であれば、購入費やガソリン代、車検費用などの70%を経費として計上できます。

パソコンの利用時間を記録し、業務60%、プライベート40%と算出されれば、購入費用の60%を経費にできる計算になります。

このように、車やパソコンなどの経費計上を適切に行うためには、業務使用割合を明確にし、関連する領収書や使用記録を正確に保管することが重要です。

広告宣伝費

フリーランスが自身のサービスや商品を宣伝するために使った費用、つまり広告宣伝費は、もちろん経費として計上できます。

広告宣伝費は、フリーランスの活動を拡大し収益を向上させるための直接的な投資であり、税務上も正当な経費として認められるためです。

また、デジタル広告や名刺作成など、多様な媒体で利用可能な経費項目として活用できます。

例えば、自身のサービスを宣伝するために、Facebook広告に5万円を投じたとします。この場合、その5万円は全額経費として計上可能です。

また、新しい名刺を1万円で1000枚作成した場合も、その費用は広告宣伝費として認められます。

ただし、広告宣伝費として認められるためには、その支出が、事業の売上や認知度向上に直接関連していることが重要です。

そのため、広告の掲載媒体や、掲載期間、費用などを記録した資料を保管しておきましょう。

このように、フリーランスは、事業を宣伝するために使った様々な費用を、広告宣伝費として経費に計上できます。

広告宣伝費として認められるためには、その支出が、事業の宣伝や、新規顧客の獲得に、直接関連している必要があります。

旅費交通費 

フリーランスは、業務に関連する旅費交通費を経費として計上することができます。

旅費交通費は業務遂行のための移動や出張に必要な費用であり、直接的な経費として認められるためです。

たとえば、ライターが、取材のために遠方へ出張する場合、取材先までの往復の交通費（新幹線代、飛行機代など）や、ホテル代などが、旅費交通費として経費計上できます。

また、カメラマンが撮影機材を運ぶために利用したタクシー代や、デザイナーがクライアントとの打ち合わせのために利用した電車賃なども、経費として認められます。

ただし、プライベートの旅行と兼ねている場合などは、仕事で利用した分のみを経費とする（家事按分）必要があるので注意しましょう。

フリーランスが旅費交通費を正しく経費計上するためには、支出の目的を明確にし、領収書や記録を確実に保管しときましょう。

このように、フリーランスは仕事で発生した移動や出張にかかる様々な費用を、旅費交通費として経費に計上できます。

旅費交通費として認められるためには、その移動や出張が、事業に直接関連していることが必要です。

接待交際費  

フリーランスが仕事の関係者と飲食を共にしたり、贈り物をしたりした場合の接待交際費も、事業に関係するものであれば、経費として計上することができます。

接待交際費は、取引先との良好な関係構築や維持は、事業の発展に不可欠であり、そのための支出は業務に直接関連するものと認められるからです。

ただし、個人的な付き合いや、過剰な支出は、経費として認められない可能性があるため、注意が必要です。

例えば、クライアントとの食事代や打ち合わせを兼ねたカフェでの飲食費、またはビジネスに関連するイベントや会合での費用が該当します。

これらの支出を適切に経費として計上するには、業務目的を明確に記録し、領収書をしっかり保管することが重要です。

このように、フリーランスは、事業に関係する接待や交際に使った費用を、接待交際費として経費に計上できます。

ただし、接待交際費として認められるためには、その支出が事業に直接関係していることが必要です。

誰と、いつ、どこで、何のために会食や接待を行ったのか、どのような目的で贈り物をしたのか、などを明確に記録しておきましょう。

消耗品費

フリーランスは、業務に必要な消耗品の購入費を経費として計上することができます。

消耗品は日々の業務を円滑に進めるために必要なものであり、業務と直接関連する支出として経費計上が認められるからです。

例えば、仕事で使用するプリンターのインクやコピー用紙、クライアントとの打ち合わせ用資料の印刷費用が消耗品費として認められます。

また、自宅兼オフィスで使う掃除用品やキッチンペーパーなども業務に必要であれば家事按分して計上可能です。

消耗品費を適切に経費として計上するためには、業務関連性を明確にし、領収書や支出記録を確実に保管することが重要です。

このように、フリーランスは、事業に必要な様々な消耗品の購入費用を、消耗品費として経費に計上できます。

ただし、消耗品費として認められるためには、その支出が事業に直接関係していることが必要です。

フリーランスが経費を計上するメリット

フリーランスとして働く上で、経費計上は避けて通れない重要な業務です。

しかし、面倒だからと後回しにしたり、そもそも経費計上のメリットを理解していない方もいるかもしれません。

ここでは、フリーランスが経費を計上するメリットである以下の2つについて解説していきます。

節税効果がある

フリーランスが経費を計上する最大のメリットは、節税効果があることです。

経費を計上することで、課税される所得金額を減らし、所得税や住民税などの税金負担を軽くすることができます。

所得税や住民税は、「収入」から「経費」を差し引いた「所得」に対して課税されるからです。

これは、フリーランスにとって非常に大きなメリットであり、事業を継続していく上で重要なポイントとなります。

例えば、年間の収入が500万円で、経費が100万円だった場合、所得は400万円（500万円 – 100万円）となり、この400万円に対して税金が計算されます。

もし、経費を全く計上しなければ、500万円がそのまま課税対象となり、より多くの税金を納めることになります。

つまり、経費を多く計上するほど、課税される所得が減り、税金も安くなるという仕組みです。

このように、フリーランスは経費を適切に計上することで、大きな節税効果を得ることができます。

しかし、節税効果を最大限に高めるためには、経費に関する正しい知識を持ち、日頃から領収書やレシートをきちんと保管し、適切に帳簿をつけることが重要です。

経費計上は面倒に感じるかもしれませんが、事業の利益を守り、手元に残るお金を増やすためには、避けて通れない業務です。

還付金がある可能性も  

フリーランスが適切に経費を計上することで、還付金を受け取れる可能性があります。

これは、課税所得を減らすために計上した経費が所得税や消費税の過払いを引き起こしていた場合、還付金として返金される可能性があるためです。

所得税は、年間の所得金額に応じて計算され、毎月の給与や報酬から概算で天引き（源泉徴収）されています。

しかし、年間の正確な所得金額は、1年が終わってみないとわかりません。

そのため、経費を適切に計上し、確定申告を行うことで、年間の正確な所得金額が確定します。

この時、実際に納めるべき税額が、源泉徴収された税額よりも少なかった場合、差額が還付金として戻ってくるのです。

また、消費税の還付を受けられる場合もあります。

これは、事業で発生した「支払った消費税」が「受け取った消費税」よりも多い場合に、その差額が還付される仕組みです。

また、青色申告特別控除を活用した場合も還付金が発生する可能性があります。

このように、フリーランスは経費を適切に計上することで、還付金を受け取れる可能性があります。

ただし、還付金を受け取るためには、正確な経費の記録と、期限内の確定申告が必須です。

還付金は、一時的な収入とはいえ、事業を継続していく上での、貴重な資金となります。

経費計上と確定申告を正しく行い、還付金を有効に活用しましょう。

フリーランスが経費を計上する際の注意点

フリーランスにとって、経費計上は節税や還付金につながる重要な業務です。

しかし、やみくもに何でも経費にできるわけではなく、注意すべき点があります。

ここでは、フリーランスが経費を計上する際の３つの注意点を解説します。

経費にできない項目がある  

フリーランスが経費計上する際にまず注意すべきは、経費にできない項目があることです。

どんな支出でも経費にできるわけではなく、事業に直接関係のない支出は、経費として認められません。

税法上、経費とは、事業の遂行に必要な支出、収入を得るために直接必要な支出とされているからです。

この点を理解せずに、誤った経費計上をすると、税務調査で否認され、追徴課税などのペナルティを受ける可能性があるので注意が必要です。

例えば、プライベートな旅行費用や娯楽目的の支出、高級車の購入費用（業務利用が証明できない場合）などは経費として認められません。

また、家族や友人との食事代も業務目的が明確でない限り対象外となります。

経費にできない項目を正しく理解し、適切に区分することで、税務上のトラブルを回避できます。

このように、フリーランスは、どんな支出でも経費にできるわけではなく、経費にできない項目があることを理解しておく必要があります。

経費として認められるためには、その支出が事業に直接関連していることが大前提です。

領収書の記載事項に気をつける  

フリーランスが経費を正確に計上するためには、領収書の記載事項に十分注意を払うことが重要です。

領収書は経費の証明となる重要な書類であり、不備がある場合には税務調査時に経費として認められない可能性があるためです。

特に以下の5項目が正確に記載されているか確認しましょう。

例えば、宛名が「上様」となっている領収書や、但し書きが「品代」とだけ書かれている領収書は、避けた方が良いでしょう。

宛名は、個人事業主の場合は「屋号」または「個人名」、但し書きは「書籍代」「パソコンソフト代」など、具体的な商品名やサービス名を書いてもらうようにしましょう。

また、日付、金額、支払先の名称（お店や会社の名前）、購入した商品やサービスの内容が、明確に記載されているかを確認することも重要です。

領収書の記載事項を確認し、不備がないように管理することで、フリーランスとしての経費計上を適切に行い、税務上のリスクを回避できます。

適切な領収書の管理は、フリーランスにとって、節税対策の基本であると同時に、事業の信頼性を高めるためにも重要な業務なのです。

確定申告までに計算する  

フリーランスは、確定申告までに経費の計算を正確に行い、収支を明確にすることが重要です。

確定申告は、1年間の所得金額と、それに対する税額を、自ら計算し、申告・納税する制度です。

経費の計算を間違えると、所得金額が実際より多くなってしまい、本来払う必要のない税金まで納めてしまうことになりかねません。

また、経費の計算が不正確だと、税務署から追加の資料提出を求められたり、最悪の場合、税務調査の対象となる可能性もあります。

経費の領収書や請求書は、月ごとや、費目ごとに整理し、保管しておきましょう。

交通費、通信費、消耗品費など、費目ごとに分けておくと、後で計算する際に便利です。

また、現金で支払った経費については、出金伝票を作成し、領収書やレシートと併せて保管しておきます。

近年は、会計ソフトを利用して、経費を管理するフリーランスも増えています。

会計ソフトを使えば、領収書の内容を入力するだけで、自動的に経費を集計してくれるので、計算の手間を省くことができます。

このように、フリーランスは、確定申告までに計算する、特に経費の計算を正確に行うことが重要です。

経費の計算は、確定申告の直前になって慌てて行うのではなく、日頃からこまめに記録し、整理しておくことが大切です。

毎月、経費の集計を行い、収入と支出のバランスを確認する習慣をつけると良いでしょう。

経費の計算は、フリーランスにとって、最も重要な業務の一つといえるでしょう。

まとめ

この記事では、フリーランスが知っておくべき「経費」について解説しました。

経費とは、事業のために使ったお金のことで、適切に計上すれば、所得を減らし、税金を抑えられます。

自宅で仕事をする場合の家賃や光熱費は「家事按分」、高価なものは「減価償却」という方法で経費にできることも覚えておきましょう。

事業に関係する支出は、基本的に経費として認められます。

経費計上のメリットは節税だけでなく、払い過ぎた税金が戻る「還付金」の可能性もあります。

ただし、事業と関係ない支出は経費にできず、領収書の記載内容にも注意が必要です。

そして、確定申告までに漏れなく計算を済ませましょう。

この記事で学んだことを活かして、正しく経費を計上し、節税につなげてくださいね。

フリーランスとして働く中で、「もっと仕事の幅を広げたい」と思ったら、人事職に特化したフリーランスエージェント「Carry Up Career」がおすすめです。

経験豊富なアドバイザーが、希望に合った仕事を紹介します。