責任権限とは?責任と権限の一致・違いやマトリックス組織における活用方法を紹介

「責任権限という言葉の意味を知りたい」

「責任権限を部下に委譲してもいいのか悩んでいる」

「チーム運営の円滑化のために責任権限を分配するように言われたけれど、どうしたらいいのかわからない」

「責任権限」という言葉を耳にしたことのある方の中には、このような疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「責任権限」の定義と重要性から、責任権限を配分することのメリット、責任権限を明確化する方法までを解説しています。

この記事を読むことで、組織作りに欠かせない「責任権限の明確化」について知ることができますよ。

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責任権限とは?定義と重要性

責任権限の定義と重要性
責任権限の定義と重要性

責任権限とは、組織や企業において個人や部署が担う責任と、その責任を果たすために必要な権限のことを指します。権限は「決定権」と言い換えることもできます。

責任と権限の範囲や所在を明確にすることは、円滑な組織運営に欠かせない要素です。業務に関わる責任と権限を持った者がいることで、迅速な意思決定を可能にし、業務の効率アップをはかることができます。

さらに、業務に対して責任を負う者が権限を持つことで、不測の事態に対しても迅速かつ適切な判断を下すことができ、トラブルやミスを未然に防止することにもつながるのです。

責任権限を明確化することは、企業の成長や業績アップにとって非常に重要な要素と言えるでしょう。

責任権限のバランス:適切な配分がもたらす効果

責任権限のバランス:適切な配分がもたらす効果
責任権限のバランス:適切な配分がもたらす効果

仕事に対する責任と権限は、バランスの取れた等しい大きさであることが望ましいとされています。

例えば、「採用業務を任されている(責任を負っている)のに、採用にかかるコスト配分を決める権限がない」など、業務に対する責任と権限の大きさが異なると、適切な業務活動に支障が出ます。

この例の場合は、「適切な求人募集サイトに求人広告を出すことができない」や「エージェントを利用することができない」といった弊害が生じることが予想されます。こうした弊害によって、人材採用の機会が損なわれることは言うまでもありません。

責任権限を適切なバランスで配分することで、責任を持った者が自らの決断によって業務を遂行できるようになります。責任者が決定権を持つことができれば、迅速かつ適切な判断を下すことができ、組織の効率性や生産性の向上にもつながるのです。

また、責任と権限が適切に配分された組織では、従業員のモチベーションが向上し、業務に対する自発的な取り組みを促すことにもつながります。

責任権限の適切な配分は、円滑な業務運営に欠かせない要素と言えるでしょう。

責任と権限の違い

「責任」と「権限」は密接に関連していますが、それぞれ異なる概念を表しています。

責任は、特定のタスクや義務の達成に対する個人または組織の義務を指します。何かを成し遂げる必要があり、その結果に対して答える必要があるという意味です。例えば、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトが予算と時間内に完了するという責任を負っています。

一方、権限は、特定の行動を取るための許可または力を表しています。これは、決定を下す能力や他人に指示を出す能力など、特定の状況または領域における影響力の度合いを意味します。例えば、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのリソースを割り当て、タスクをデリゲートし、プロジェクトの方向性を決定するという権限を持っているかもしれません。

効果的な組織運営のためには、責任と権限が適切に配分され、均衡が取れていることが重要です。責任を持つ人がその結果を達成するために必要な権限を持っていなければ、彼らは効果的に機能することが難しくなります。逆に、権限を持つ人がその権限に対する適切な責任を負っていなければ、その権限は適切に使用されない可能性があります。

責任権限の明確化:組織効率化のカギ

責任権限の明確化:組織効率化のカギ
責任権限の明確化:組織効率化のカギ

ここからは、組織効率化のために重要な「責任権限の明確化」について解説します。

「責任権限の配分が重要なことはわかったけれど、実際にどのように動けばいいのかわからない」という方は、ぜひチェックしてみてください。

 権限と責任の明確化

責任権限の明確化の第一歩として、まずは役割を明確化することが大切です。

役割を明確にすることで、各部署や各担当者が何を目指して行動するべきか、誰とどんな情報を共有しておくべきかがはっきりします。誰が何をすべきかはっきりしていれば、誰がどんな権限を持つべきかも自然と見えてくるでしょう。

さらに、役割が明確であることで、意思決定や問題点の確認の流れがスムーズになり、業務が停滞する時間を減らすことにもつながります。

また、役割の明確化は、従業員のモチベーションにも影響します。個人の役割が明確であれば、目標に向かって積極的に取り組むことができるからです。

このように、役割の明確化は、組織効率化の鍵として重要な要素の一つと言えるでしょう。

  意思決定プロセスの改善

組織の効率化を図るために、意思決定プロセスの改善が必要になる場合もあります。

意思決定プロセスがスムーズであれば、迅速かつ適切な業務運用が可能になり、業務の遅れや失敗を未然に防ぐこともできるでしょう。

意思決定プロセスの改善には、責任権限の明確化が必要不可欠です。誰がどんな権限・決定権を持つべきか、各部署や個人の役割を明確にしたうえで、適切な権限を配分する必要があるからです。

意思決定プロセスの見直しを図ることで、自然と責任権限の明確化にもつながっていくでしょう。

  コミュニケーションの向上

組織を効率的に運用するためには、コミュニケーションの向上を図ることも非常に重要です。

責任権限の配分が行われていても、コミュニケーション環境に難がある組織は上手く機能しないと言ってよいでしょう。

コミュニケーションを向上させることにより、部署間や担当者同士の連携がスムーズになり、情報共有や意思決定におけるプロセスが円滑になります。さらに、良質なコミュニケーション環境を構築することで、従業員のストレスの軽減や、やる気アップにもつながります。

コミュニケーションを向上させるためには、定期的なミーティングや業務上の問題点・改善点の共有、従業員間の交流イベントの実施などが有効です。また、社内SNSやチャットツールの導入など、手軽にコミュニケーションを行うことができるシステムを導入するのもおすすめですよ。

責任権限の付与と柔軟性:変化に対応する組織

責任権限の付与と柔軟性:変化に対応する組織
責任権限の付与と柔軟性:変化に対応する組織

責任権限の付与は、変化に対応できる柔軟な組織を構築することにもつながります。

組織に柔軟性が足りないと感じているなら、決定権の一極集中を緩和し、責任権限を現場に委譲することを検討しましょう。

上位の役職者によってすべての決定が行われる組織は、役職者に過大な負担がかかり、意思決定のスピードが遅くなったり、適切な判断を下すことが難しくなる場合があります。そこで、現場の担当者に責任権限を付与することで、現場の意見や現状を反映した柔軟で迅速な対応が可能になるのです。

もちろん、重要な決定権は上位の役職者が握っておくのが良い場合もあるでしょう。責任権限の委譲を検討する際は、まずどんな責任権限であれば下位の役職者に付与できるのかを考えるところから始めてみるのがおすすめです。

責任権限を明確化するための手法

責任権限を明確化するための手法
責任権限を明確化するための手法

これまで、責任権限の付与や明確化によって得られるメリットを解説してきました。責任権限を配分して、各々が行動するイメージが掴めたのではないでしょうか。

ここからは、より具体的に、責任権限を明確化するための手法を紹介します。この項で紹介するポイントは以下の通りです。

  • RACIチャートの活用
  • スキルマップの作製
  • ルールやポリシーの徹底

一つずつ解説していくので、気になる部分をチェックしてください。

RACIチャートの活用

RACIチャートは、責任権限の明確化を目的としたツールの一つです。

RACIとは、「Responsible」「Accountable」「Consulted」「Informed」の頭文字をとったもので、それぞれ実行責任者、説明責任者、協力者・相談相手、報告先の役割を示します。

RACIチャートを活用することで、業務プロセスの全体像を可視化し、担当者の責任範囲や業務内容を明確にすることができるでしょう。RACIチャートは、小規模なプロジェクトよりも、チームや部署をまたぐような大規模で複雑なプロジェクトの際により効果を発揮します。

実行責任者(Responsible)と説明責任者(Accountable)を決めておくだけでも、業務は格段にスムーズになります。業務プロセスの改善を模索している方は、ぜひRACIチャートの活用を検討してみてください。

スキルマップの作成

スキルマップとは、従業員のスキルや経験を可視化したツールです。

スキルマップを作成することで、各従業員のスキル(技能)や強み、弱みが明確になります。つまり、スキルマップは従業員がどの業務に適しているか、どんな権限を割り当てれば良いかの判断基準になるのです。

さらに、スキルマップを作成することにより、どの業務に必要なスキルが不足しているかも把握できます。不足を可視化することができれば、従業員教育やキャリア育成、人事評価に役立てることもできますよね。

スキルマップは、組織運営の効率化に非常に有効なツールです。ぜひ導入を検討してみてください。

ルールやポリシーの整備

責任権限を配分し、齟齬のない組織運営を行うためには、ルールやポリシーの整備も重要です。

業務を行う上で徹底すべき理念や決まりを整備し、明確にしておくことで、従業員は個人の判断が求められる場面でも、組織の方針や目標に沿った行動を選択できるようになります。

ルールやポリシーの整備を行う際は、周知を徹底することも忘れないようにしましょう。社内報やミーティングなどを通して、従業員が日ごろから企業理念や経営方針に触れる機会を増やしておくのもおすすめです。

責任権限に関するよくある質問

RACIチャートとは

RACIチャートはプロジェクト管理のツールで、特定のタスクやプロジェクトの役割と責任を明確にするために使用されます。RACIとはResponsible(責任者)、Accountable(説明責任者)、Consulted(相談者)、Informed(情報提供者)の役割の頭文字を取ったものです。

RACIチャートは、各役割と責任が明確に定義され、誰が何に責任を持つのかを明確にすることで、混乱や重複した努力を防ぎ、プロジェクトの効率と効果を高めることができます。

  • Responsible(責任者):タスクや決定の実行者。タスクの達成に直接責任を持つ人物やチームを指します。
  • Accountable(説明責任者):最終的な承認権限を持つ人物。タスクの達成が適切に行われたかどうかを確認し、必要に応じて責任を負います。
  • Consulted(相談者):タスクや決定に関して事前に意見を求められる人物。主にその専門知識をもとにアドバイスやフィードバックを提供します。
  • Informed(情報提供者):タスクや決定の結果について通知される人物。彼らは直接的な責任や参加はありませんが、プロジェクトの進行状況について知らされる必要があります。

RACIチャートの作り方は?

RACIチャートの作成は、プロジェクトメンバーとタスクをリスト化し、各メンバーにRACIの役割を割り当てることから始まります。役割の割り当ては、説明責任者(A)、実行責任者(R)、相談先(C)、報告先(I)の順に進めます。

説明責任者は1人に限定し、その他の役割は状況に応じて適用します。完成したRACIチャートはメンバー全員が確認し、自身の役割を理解することが重要です。また、完成したチャートはメンバーが常に参照できる場所に掲示することで、タスクの進行状況や責任の所在を明確にします。

リーダーシップと責任権限:上司と部下の役割

リーダーシップと責任権限:上司と部下の役割
リーダーシップと責任権限:上司と部下の役割

「責任権限をそれぞれに配分するなら、中間管理職は必要ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、責任や権限を分配して現場に任せることが増えるからといって、組織やチームのリーダーが不要になるわけではありません。現場に責任権限を分配し、組織を円滑に運営していくためには、組織のリーダーのマネジメント能力が求められるのです。

リーダーが目標を明確にし、部下に必要なリソースを提供することで、部下はその責任権限に基づき、自己判断力を発揮して業務に取り組むことができます。リーダーは部下の業務の進捗状況を常に把握し、必要に応じて指導やサポートを行い、部下に対して責任を負うことで部下に信頼感を与える存在でなければなりません。

担当者が責任権限の元に遺憾なく業務を遂行するために、上司と部下の役割を明確にし、上司が部下をしっかりと支えるリーダーシップを取っていくことが大切です。

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