適切な人事配置とは？決め方や考え方について紹介！

従業員が持つスキルや能力を最大限に発揮させるためには、適切な人事配置が必要となります。適切な人事配置を行うことは従業員のさらなる成長を促すだけでなく、会社の成長や発展にもつながります。

ここでは、人事配置に関する基本やポイント、課題の解決方法について解説していきます。正しい人事配置を知ることで、会社のさらなる成長を目の当たりにすることができるでしょう。

人事配置とは？目的と意義

人材配置とは、必要な人材を適切な部門やグループに割り当てることを指します。スキルや経験、適性、能力などを総合的に評価し、人員を配置します。通常は採用時や人事転勤、昇進や昇格の際に実行されます。

異動のタイミングは従業員の入社時、人事異動の時期、雇用形態の変更時などです。人事担当者は、どの部署や部門、役職ならその従業員がいま持つ実力を発揮できるかを判断し、適切に異動させる必要性があります。

人事配置とは

人事配置とは、人事担当者が従業員ひとりひとりの特性を見極め適切な部署や部門、役職に配置換えを行うことです。事業目標の達成を目的として、適切な場所で働いてもらうことです。

人間だれしも持っている能力は同じではなく、個性を持ち合わせています。必ず長所・短所があり、これまでの経験値には差があるのです。それを踏まえたうえで人事担当者は会社の目標を達成するために、誰をどこに配置すべきかを考える必要があります。

場合によっては会社の存続や経営に良くも悪くも影響を与えることがあるので、会社にとって人事配置は非常に重要なのです。

人事配置の重要性

適切な人事配置を行うことは以下のような良い影響があります。

1. 従業員のモチベーションアップにつながる

本人の希望を考慮したうえで適切な人事配置ができれば、業務上のストレスが減りモチベーションが上がるため、結果的に離職率の低下にもつながるのです。

2. 人件費が削減され生産性の向上が見込める

人間には得意なこと、不得意だけどできること、不得意でまったくできないことがあります。適切な人事配置を行えば、人件費の削減につながります。これまで5人いないと回らなかった業務が3人で回るようになることがあるのです。すると2人分の人件費が削減されるため、必然的に生産性も向上します。

3. 組織に新しい風が吹き込み活性化につながる

新たな視点から生まれるアイデア、意見がその組織を成長させる可能性があります。同じメンバー、慣れた環境で業務を行っていると、なかなか組織内の改善点は見つけられないものです。

適材適所の原則

適材適所の原則を達成するためには、ひとりひとりが持つ能力やスキル、経験などを考慮したうえで適切な人事配置を行う必要があります。すると会社は個人が持つ能力を最大限に引き出すことができるので、会社の掲げる目標を達成することにつながります。

まずは個々の能力や適性を把握し、社内の評価方法や仕組みの整備を行いましょう。

人事配置の決め方やプロセスとは

人事配置のプロセスは以下の3つの工程が必要となります。

1. 人材評価と人材開発
2. 配置計画と実行
3. 配置後のフォローアップ

人事配置を実行するためには、事前準備はもちろん、そのあとの社員へのフォローも重要なのです。

人材評価と人材開発

人材評価と人材開発は密接な関係にあります。客観的に従業員の能力や課題を把握する人材評価は、具体的にどのように人材開発を行う必要があるのかを確認できるからです。

まだ持っていない能力をつけることは、その従業員のキャリアアップにつながります。将来の会社の大黒柱にもなりうる従業員に、研修やキャリアカウンセリング、ジョブローテーションなどの経験を積んでもらうことでたくさんの知識や能力を身に着けてもらいましょう。

配置計画と実行

実際に人材配置を考えるときに必要な手順を以下の4ステップにまとめました。

1.必要な定員の把握

まずは人事担当者が会社の予算等を考慮したうえで、必要な定員を考えます。

2.現場のニーズの調査

次に実際に働いている現場の従業員にニーズの確認をします。「もうひとり人員を増やしてほしい」、「この現場に必要な人材はこういった人だ」などの意見がないか聞いてみましょう。

3.従業員本人の希望

従業員は異動希望があるのか、そうでないのかということも調査が必要です。本人の希望からかけ離れた人材配置はストレスの原因となります。

4.人材配置の決定

1〜3のステップを踏まえ、現場の定員は適正かどうか、どこに誰を異動させるべきかについて判断します。

異勤・配置後のフォローアップ

人事配置を行った後は必ずフォローアップをしましょう。もしかすると、ミスマッチが起こっているかもしれません。実際に異動した先の業務内容が想い描いていたものと違っていたり、環境が変わったことで体調に変化が出ていたりするかもしれません。そういった個々のフォローを継続し、ケアしてあげることは人事担当者のひとつの業務でもあります。

効果的な人事配置のポイント

組織の力を最大限に引き出すために必要なポイントについて確認しましょう。

組織目標と個人のキャリアプランの調和

組織が掲げる目標や戦略に基づいて、従業員のキャリアプランを築くことは非常に重要です。従業員に定期的に研修を行うことで成長する機会をつくったり、ジョブローテーションを行うことで幅広い経験を積んだりすることは、将来の会社の成長につながるのです。人材はときに、「人財」という言い方をします。従業員の成長なくして、会社の成長は見込めないのです。

柔軟な配置変更

ときに、人事配置には柔軟な配置変更が求められる場合があります。業務内容の変化や急な退職者がでたときなどです。こういった予期せぬ事態に対応するためには、以下の点について人事担当者が把握しておくことが大切になります。

1. 従業員ひとりひとりの適性や能力の把握
2. 組織同士の密なコミュニケーションで人事に関する情報の連携

予期せぬ事態はいつやってくるかわからないので、柔軟に対応できる体制づくりを常日頃からを行っておきましょう。

従業員の能力や適性を考慮する

従業員が持つ能力や適性はひとりひとり違います。その人にとって働くうえで何を大切にしているか、どういった目的を持って働いているのかももちろん違います。従業員が持つ能力を把握したうえで適切な人材配置を行うことは、モチベーションアップにもつながり生産性の向上も見込めるのです。従業員ひとりひとりに考慮した人材配置は、会社のためにもなっているということを頭にいれておきましょう。

人事配置における課題と解決策

どんなに人事担当者が「完璧な配置を行えた」と思っても、人事配置に不満を持つ人は少なからずいるものです。ここではその対応方法と解決策について解説していきます。

抵抗や不満への対応

「自分が希望していた異動ではなかった」と不満の声があがったり抵抗されたりすることもあると思います。そのようなときにはまず、「なぜ不満なのか」をヒアリングすることが大切です。

そのうえで、会社が異動を命じた理由や異動先での業務内容を伝えましょう。異動は大きな環境の変化で、従業員にとってはマイナスイメージにしか捉えられないときもあります。しっかりケアすることで異動を納得してもらいましょう。

コミュニケーションの重要性

コミュニケーション不足による従業員のモチベーション低下もひとつの課題です。人事配置を行ううえで、どうして異動を行うのかという理由や目的を説明し従業員に理解してもらうことはとても重要になります。

また、異動後のフォロー時に従業員の想いを聞いて、次回の人事配置に取り入れることも検討しましょう。現場の人間にしかわからない、実情や空気感は必ずあります。充実したコミュニケーションを取ることは、人事配置の改善につながります。

人材育成と配置のバランス

常に適切な人事配置を行っていたとしても、人材育成とのバランスが取れていなければ会社の成長に悪影響を及ぼしかねません。なぜなら、いま働いている従業員は永遠に働けるわけではないからです。定年退職や自己都合退職があった際に、あいたポストにはいる従業員がいなければ生産性が下がってしまう可能性があります。

定期的な研修などで人材育成を行い、なにかあったときにはその従業員に代わる誰かを立てられるよう、常に体制を整えておく必要があります。

人事配置に関するよくある質問

人事配置を考え抜こう！

人事配置は、会社の掲げる目標を達成するためには欠かせないひとつの戦略とも言えます。人を動かすということは簡単なことではありません。しかし、だからこそ従業員や会社の成長が期待できるのです。あなたの采配次第で従業員のモチベーションアップにつながることもあります。人事担当はとても大変な業務ですが、会社にとっては非常に重要なポストです。ぜひあなたの手で会社をさらに成長させましょう。